フハハハハ！快晴なり!!絶好のイベント日和である！
我々の美味しいエゾシカ肉の料理を食べられるとあって、御客人が大勢集まっておるぞ！「増えすぎて問題になってる我々を道産食材として有効活用して、自然環境保護と食文化の発展を目指す」という崇高かつ有意義なテーマのもと、一般社団法人エゾシカ協会殿の主導で開催されたイベントなのだ！…何？「なぜ食われる立場なのにそんなテンション高いんだ」とな？うむ、良い質問だ。
全道で繁殖し勢力拡大している我々だが…個体数の増えすぎで、ニンゲン諸君や自然生態系全体に迷惑をおかけしており、まぁぶっちゃけ我々自身も困っちゃってるのだ(苦笑)。
なので多少の犠牲はいたシカたないと考え、増えすぎた我々を多少、北海道自慢の食材としてニンゲン諸君に提供し、我々の社会的地位向上を図ることが出来るこういったイベントには、吾輩も賛同し重要視しておるという訳だ！
ご納得いただけたかな？

このイベント会場にお集まり頂いたニンゲン諸君はつまり、この北海道における我々の存在意義を認めて下さった云わば同志！そう、主催のエゾシカ協会殿も、出店者殿も、御客人の皆々様もすでに、エゾシカ団の一員なのである！

ならば、エゾシカ団総統であるこの吾輩が、我々の式典とも言うべきこのイベントで挨拶しないワケにはいくまい？
そう、この３日間、釧路の地にて我々の存在を知らしめてきた努力は全て、この日のためであったと言っても過言ではないのだよ。
さあ、いつもの布教活動といこうではないか!!

フフフハハハハハ、素晴らしい！素晴らしいぞ!!
北海道の未来を担うニンゲン諸君の子供たちには、やはりこのエゾシカキャップがよく似合う！これを被ると、エゾシカの素晴らしさを体感することが出来るのだ。吾輩が同志と見込む選ばれし皆様にキャップを被っていただくこの行為は「エゾシ化」という崇高な儀式なのだ！

まぁ、反発する者に言うことを聞かせるのにも充分役立つので、DO★カイザーなんぞを支持してキャンキャンわめいておったMCの小娘も、ついでにいつも通り「エゾシ化」してくれてやったわ！

この調子で今後も道内各地で我々を待っておるニンゲン諸君を、次々と「エゾシ化」して差し上げるシカない!!

順風満帆に進行しておったこのイベントだが…やはりDO★カイザーめの邪魔が入りおったわ!! ま、想定内だがなぁ！
当初は我々とすれ違いで登場するという凡ミスをしおったようだ！間抜けな奴よ！
シカも！前述したとおり、このイベントは会場全域に渡って我々の同志諸兄に囲まれた、エゾシカ団の独壇場！DO★カイザーにしてみれば完全にアウェーではないか！フハハハ！
奴もこのイベントでは、エゾシカ肉消費推進をご高説しにノコノコ来たようだが…我々エゾシカ団自身がその役目を負うことで、より説得力が増すのだ！そこんとこを奴はまだまだ解っておらぬゆえ、余計なお世話というものよ！そんな「虎の威を借る狐」ならぬ「狼の威を借るおジャマ虫」は、軽ーくひねり潰してくれよう！

…とした矢先。何事だ？戦闘中だと言うのに！
DO★カイザー宛に宅配便だとぉ!?

どういう訳であろうな？
ここはDO★カイザーの住所でも何でもないのに、なぜ故、商品の注文などしていないヤツの居所をリアルタイムで把握して届け物をすることが出来るのだ？ついでに送り主氏名は「北海道」だと？意味がわからぬ！

シカも…素性もわからん運び屋め、余計なことをしてくれおった！DO★カイザーに届いた荷物は「カイザーソード」とかいう凶器ではないか！
何やら、アイヌ民族に古くから伝わる弦楽器「トンコリ」に似たカタチをしておるが、カイザー自身の力や、周りの応援によって発生するエネルギーを、刀身にみなぎらせて衝撃波を伴う斬撃を発することが出来るなどという必殺武器らしいわ！卑怯なりDO★カイザー!!

うぬぬ…どうせならエゾシカ団の完全勝利でこのイベントを飾りたかったところだが、あと一歩のところで水を差されたおかげで一気に形勢を逆転されおったわ！

だが…フン、まあよい。今回の勝負はお預けだ！
この「エゾシカ料理グランプリin釧路2014」という世紀の一大イベントの中にあっては、DO★カイザーとの小競り合いなど単なる余興に過ぎぬわ！吾輩としては、「御来場のニンゲン諸君に我々の存在を知らしめるための挨拶」と、「このイベントそのものの成功」という目的はすでに達成されておるのだからな！

せいぜい勝った気でいるがよいぞ、DO★カイザー！
ニンゲン諸君の社会でも我々エゾシカの社会でも同じこと！過程はどうあれ目的を達成したものが最後に勝つのだ！